美音の聖地「真空管・アンプ工房SMG」
正直、あまり人に教えたくないような、
しかし、素晴らしいものは、どうしても話したくなるような
そんな心地がいたします。
先日、私が行ってきた「ある場所」についてのお話です。
兵庫県は姫路をさらに北上し、福崎北ランプあたりを降りると
(すいません、土地勘まったくないです)
そこには、知る人ぞ知る「真空管・アンプ工房SMG」があります。
平日の午前中にお邪魔し、設計製作をされたご主人の真空管アンプの音を
拝聴させていただきました。

それはもう、
一生忘れられない音
でありました。
音に取り憑かれ、追求し、追求し、追求し、
仮説 → 検証、仮説 → 検証、仮説 → 検証 ・・・
を繰り返した「天才の所業」がそこにありました。
いろいろお話も聞かせていただき、印象的だったのは、
回路を作るにしても、人の真似をするのが嫌いである、
とにかく極限までシンプルにし、ライブの音を混じり気なしに出したい!!
と言われたことでした。
(コーヒー屋のマスターにしてもそうだったし、本質ってのは同じになってくるのだな)
本音を言えば、「ライブの音よりよくね〜か?」
と言いそうになりましたが、それは黙っていました。
この方は、いわゆる量産型メーカーに勤めて学んだのではなく、
独学で突き詰めています。
他には、独自の開発をされたものがありますが、本題とそれるので省きます。
・・・
当たり前のことを当たり前にやるのが、難しい時代です。
例えば、
「当たり前のことを当たり前にやる」を徹底する勇気を持って
実際に行動し続けたのが、イチローや中田だとしたら、
この方は、
真空管アンプ
のジャンルにおいて、同じようなことをやっていると思います。
人知れぬ、兵庫の山奥で…
ああ、素晴らしかった・・・
素晴らしすぎた・・・
今これを書いている部屋の外から、
ステレオデッキでかかったCDの音が聞こえてきます。
私はそれを悪いとは、これっぽっちも思いません。
むしろ、そういうものに囲まれているからこそ、
真空管のサウンドの際立ちがよく分かるし、
強調される。
音の中で、バイブレーションの神と
対峙しているような気分になる。
この文化、なんとか残していきたいと強く感じました。

